誹謗中傷対策センター(ネクストリンク株式会社)では、2015年以来、インターネット上での炎上事例を継続的に収集・分析しています。
本記事では、2025年下半期(7月~12月)に発生した炎上データの統計結果を公開するとともに、そこから読み取れる最新のトレンドと、企業が講じるべき対策について解説します。
今回の調査では、SNS起点のトラブルに加え、政治的な関心の高まりや顧客による告発型炎上が顕著な結果となりました。
調査期間:2025年7月1日~2025年12月31日
調査対象:国内ニュース・SNS・掲示板
炎上認定基準:対象に対する非難・批判が発生し、それが拡散されている状態を確認した場合
2025年下半期の月別炎上件数を見ると、7月が39件と最も多く、次いで9月の36件、8月の33件と、夏期に集中している傾向が見られました。
その後、10月から12月にかけては月平均25件前後で推移しています。
7月~9月に件数が増加した要因として、夏季休暇や大型連休によりSNSのアクティブユーザー数が増加したことが挙げられます。
余暇の増加に伴い、SNS上の投稿監視の目が厳しくなり、些細な投稿や企業対応の不備が「エンタメ感覚」で拡散される土壌が形成されていたと言えます。
炎上の発生源(火元)となったメディアの内訳では、X(旧Twitter)が93件と全体の半数以上を占め、依然として圧倒的な拡散力と炎上リスクを持っています。
次いでテレビ報道由来が39件、Youtubeが22件と続きます。
Xにおける炎上は、匿名性と拡散性(リポスト機能)の高さにより、一度火がつくと鎮火が難しいのが特徴です。
特に近年は「インプレッション(閲覧数)稼ぎ」を目的とした過激な引用リポストが炎上を加速させる構造的な問題も深刻化しています。
2025年下半期の特徴として、炎上した業種の上位に大きな偏りが見られました。
上半期と比較して特筆すべきは、「政治団体」に関する炎上が46件と多発し、全体の大きな割合を占めた点です。
これは、2025年後半の激動する政治情勢が大きく影響しています。
国政選挙での与党連敗や、石破茂首相の辞任、その後の総裁選(10月4日投開票)による高市早苗氏の新総裁選出など、国民の政治的関心を高めるイベントが相次ぎました。
政治の話題がSNSのトレンドを占有し続けたことが、支持者・反対者双方による過激な議論や誹謗中傷、炎上を誘発したと考えられます。
良くも悪くも「政治への関心」が可視化された結果と言えるでしょう。
さらに、2026年初頭の解散総選挙を前に、与野党が事実上の選挙戦に突入するなど、今後も国民の政治的関心を高める出来事が続くと考えられます。
その影響で、「政治団体」に関する炎上は、今後も継続的に増加する可能性があります。
106件という突出した数字は、ファンの熱量の裏返しでもあります。
推し活ブームの加熱に伴い、運営側の不手際や出演者の不用意な発言に対するファンの失望が、瞬時に「アンチ活動」へと反転しやすい状況にあります。
今回のデータで最も警戒すべき点は、炎上の原因(区分)です。
2025年下半期においては、「顧客クレーム」由来の炎上が131件と、不適切発言の2倍以上のスコアを記録しています。
これは、商品やサービスに対する不満を、企業のお客様相談室ではなく、直接SNSに投稿して「世論を味方につける」手法が一般化したことを示唆しています。
「SNSで晒せば企業が動く」「謝罪させられる」という成功体験が消費者の間に広まり、いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に近い性質の投稿が拡散されやすくなっています。
企業側としては、現場の些細なオペレーションミスが、動画や写真付きで世界中に拡散されるリスクと常に隣り合わせであるという認識が必要です。
2025年下半期は、政治的な対立構造がSNSに持ち込まれたこと、そして「顧客による告発」が炎上の主要ルートとして確立されたことが浮き彫りになりました。
特に法人にとって脅威なのは、「顧客クレーム」型炎上の増加です。
これは広報部門のチェックだけで防げるものではなく、現場の接客態度、商品品質、そして「クレーム発生時の初動対応」がすべてSNSコンテンツとして消費されることを意味します。
「他社の炎上は対岸の火事ではない」と捉え、平時から有事の指揮系統を整備しておくことが、ブランドを守る唯一の盾となります。
誹謗中傷対策センターを運営するネクストリンク株式会社は、2006年にウェブマーケティングに特化した広告会社として創業しました。
その知見を活かし、インターネット領域における皆様の課題を解決すべく、2009年より「誹謗中傷・評判管理対策」に特化したサービスを開始。
以来、平時のリスク管理から有事の緊急対応まで、業種を問わず多くの企業様のブランドを守り続けています。

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