インターネットの普及に伴い、情報をいち早く収集出来たり、オンラインショッピングなどで家にいても買い物が出来るなど、生活には欠かせない一部となっている反面、デマ情報や誹謗中傷の書込みなど、社会的にも大きな問題となっています。
この問題を受けて、2022年6月に改正刑法が成立し、誹謗中傷が厳罰化となりました。今回は、どのような法律改正になったのか、概要を詳しく紹介していきます。
現在、SNSやインターネット上での誹謗中傷の書込みが社会問題となっており、その書き込みが原因で、自ら命を絶つという悲しい事件が後を絶ちません。 書込みをした側は、侮辱罪の法定刑がありますが、「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」ととても軽い事もあり、厳罰化を求める声が高まり、法律改正へのきっかけとなりました。
今回の改正によって、「1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」と法定刑が引き上げされます。これに伴い、公訴時効期間が1年から3年に延長となります。 この改正法は、2022年6月13日に成立。2022年7月7日から施行されました。
(参照:法務省ホームページ)
侮辱罪の法改正以外にも、プロバイダ責任制限法の改正する法律が公布され、2022年10月に施行される予定です。 このプロバイダ責任制限法の発信者情報開示請求権に関して、確認してみましょう。
匿名での誹謗中傷の投稿が増えた事を受けて、2001年にプロバイダ責任制限法が制定され、発信者情報開示請求権、送信防止措置請求権が 認められました。これによって、発信者の情報(住所、氏名、電話番号等)などを、プロバイダに対して情報の開示を求める事が可能となりました。
現在の内容だと、投稿者を特定するために2回の裁判手続きが必要となり、特定後に損害賠償などの手続きを進めるとなると、さらに裁判手続きが必要となっています。 その為、時間とコストなどの負担が大きく、さらに、時間がかかりすぎて投稿者の特定が困難になるという点が問題となっています。
今回の大きなポイントは、手続きが簡易的に行えるという点にあります。 今まで裁判手続きに半年以上の時間がかかっていましたが、今回の改正でこの期間がかなり短縮できるのではと期待されています。
プロバイダ責任制限法の送信防止措置請求権に関しても、確認していきたいと思います。 この手続きは、掲示板などに名誉棄損などに当たる書き込みがされたときに、サイトの運営者に対して、削除などを依頼するための手続きとなります。
送信防止措置依頼書をサイト管理者に送付すると、管理者側で審査を行います。もし、その発言が不適切な物であると判断されると、管理者側から投稿者に対して、「投稿を削除して良いか?」といった連絡が入り、投稿者がからの返答があれば削除されます。 もし、削除に対して反論があった場合でも、運営者側が不適切だと判断すれば削除されます。
投稿を削除するかどうかの判断基準はサイトの管理者にあるという点と、削除依頼は任意となっている為、100%削除されるという保証がありません。 また、この手続きは、日本のプロバイダ、サイト運営者等に対して有効となっている為、海外のサイトなどでは対応を拒否される場合もあるという事など、色々と注意が必要です。
このような厳罰化にすることで、「誹謗中傷は厳しく処罰される」と認知されることで、抑止力になると言われていますが、 現状、匿名での誹謗中傷の書込みは続いています。今回の厳罰化を機会に、自分の書込みで他人を傷つけていないかなど、改めて考える機会となればと思います。
もし、掲示板やSNSに誹謗中傷が書き込まれてしまったら?削除したい場合はどうしたらいい?など、まとめてみました。
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